RELACTIS ブログ組織への広げ方読了 約4分

社内調査をしても何も変わらないのは、結果を配って終わるからです

アンケートを取り、集計し、結果を共有した。それでも三ヶ月後、職場は何も変わっていない。原因は設問の出来ではなく、そのあとに置かれている工程のほうにあります。

AI活用の社内調査は、いま多くの会社でやられています。利用率を聞き、困りごとを聞き、集計してスライドにする。ここまでは丁寧に行われることが多いのですが、そのあとがだいたい同じ形になります。結果を全社に共有して、終わり。

私たちの立場をはっきり書いておきます。測ることは目的ではありません。調査が仕事として成立するのは、参加した人が「自分の職場には、どの役割が欠けているのか」を認識したところまで運べたときだけです。そこまで運ばずに結果を配ると、受け取った側には数字の感想しか残りません。

自分の会社で調査をやる立場の人にも、受けさせられる側の人にも読めるように書きます。診断を受けたことがある人なら、途中で「あのとき結果はどうなったんだっけ」と思い出すはずです。それがこの記事の主題です。

見える化で止まると、何が起きるか

調査には段階があります。個人が自分の結果を見る。組織全体の分布を見る。そして、足りない役割に気づく。配って終わる運用は、たいてい2つ目で止まっています。

止まったところで起きるのは、犯人探しか、無関心です。「うちは利用率が低い」という数字だけを渡されると、読んだ人にできることは、誰かの意識の低さを疑うか、自分には関係ないと判断するかのどちらかになります。どちらも次の行動につながりません。

3つ目まで運ぶと、話が変わります。「新しい使い方を持ち込む人が、うちには一人もいない」と分かった瞬間、それは誰かの落ち度ではなく、埋まっていない席の話になります。席の話になると、人を責めずに次の一手が決められます。

私たちが実際に回している60分

RELACTISの診断は、研修の中に置いて使うことがあります。そのときの進行を書きます。所要時間は設計上の割り当てで、実測の記録ではありません。そのつもりで読んでください。

  • 最初の10分は理論。なぜ人によって向いている役割が違うのかを先に立てます。ここを省くと、診断が唐突になります
  • 次の10分でその場で受ける。後日回収にしません。持ち帰りにすると、回収率が落ちて分布が歪みます
  • 15分の休憩。これは休憩であると同時に集計時間です。ここを削ると「結果は後日メールで」になり、この設計は成立しません
  • 20分で結果を見て、話す。ここが本体です。順序は、自分の結果、組織の分布、足りない役割
  • 最後の5分で、誰が何を持ち帰るかを決める

設計の要点は3つあります。ひとつは、理論を先に立ててから測ること。もうひとつは、休憩を集計に使って、受検から結果共有までを同じ日に閉じること。診断と結果のあいだに一週間が空くと、受けた本人の関心が切れます。

3つ目がいちばん大事で、測る前に必ず宣言することが3つあります。タイプに優劣はないこと。1人で全部を担う必要はないこと。役割は固定ではなく変化すること。これを先に言わないと、参加者は人事評価を疑いながら答えます。疑いながら答えた結果は、そのあとの対話で誰も自分の話をしなくなります。

いちばん効くのは、誰もいないセルを見せる瞬間

結果共有でいちばん場が動くのは、平均点でも順位でもなく、役割とタイプのマトリクスに空いているセルが見えたときです。私たちはこれを空白ゾーンと呼んでいます。

ただし、ここには注意が要ります。母数が小さいと、空白は偶然でも出ます。7人しかいない部署にある型が0人でも、その型が組織にいない証明にはなりません。だから空白は結論ではなく、次に確かめる場所として扱います。断定的に読ませると、その場で採用の話が始まってしまいます。

その場で必ず出る4つの質問

進行役をやると、毎回ほぼ同じ質問が出ます。答え方を用意しておかないと、ここで場が硬直します。私たちの答えをそのまま書きます。

出る質問答え方
これは人事評価に使われますか使えません。いまAIという道具に対してどの役割を演じているかを示すもので、能力や優劣を測るものではありません。個人が特定できない集団の指標として運用します
自分の結果に納得できません型は固定ではなく変わります。いまの関わり方のスナップショットです
開拓者型がいない組織はどうすれば自社で発明する必要はありません。外部の事例を持ち込む役を1人決めるほうが近道です
批評家型は無視していいですか粗が見える人です。「このやり方の欠点を見つけてください」と検証を頼むと、いちばん頼れる役になります

4つとも、事前に用意していないと答えに詰まります。特に1つ目は、答えを濁した瞬間に場の空気が変わります。

明日ひとつだけ動かす

すでに社内調査を終えていて、結果が配られたきりになっているなら、やることは1つです。その結果を持ってきて、役割ごとに誰がいるかを1枚に並べ直してください。新しいアンケートは要りません。並べた紙の中に空いているところがあれば、それが最初に埋める席です。

これから調査をやるなら、集計のあとに30分だけ、結果を全員で見る時間を確保してください。配る前に見る場を作るかどうかで、同じ調査から取れるものがかなり変わります。

私たちの診断は24問で、所要は約4分の目安、無料で登録も要りません。ただ、受けること自体はこの話の半分でしかありません。15タイプの一覧を横に置いて、自分のチームの席がどれだけ埋まっているかを数えるところまでやって、ようやく調査が仕事になります。

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